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【ブックレビュー】子どもの未来をあきらめない。施設で育った子どもの自立支援〜友が書いた最初で最後の一冊〜

みなさんこんにちは。
コミュニティマネージャーの日永です。

 

今月、こちらのブログ上で続けてきました『ATOMicaメンバーのブックレビュー』、いかがでしたでしょうか。

 

 

東京にいるメンバーから宮崎常駐のメンバーまで、おすすめの本を紹介させていただきました。

またこのようなリレー執筆をやりたいと思いますので楽しみにしてくださいね。

 

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まあ、本を紹介するという行為は自分の嗜好や指向を晒してしまうようで少し恥ずかしいですよね。

私は幼いころから本が好きで、大学は日本文学科に行ったのですが、自宅の本棚を見られるのは少し嫌ですね。教養のなさがばれそうだというのが主な理由ではありますが。

 

本は、それこそ数えきれないほど読んできているのですが、本を書く経験はそうそう出来るものではありません。

私も残念ながら書く機会に恵まれずにここまできてしまったのですが、私の友人が本の執筆者になりましたのでせっかくですからご紹介したいと思います。

 

 

私は大学時代応援団リーダー部に所属してまして、副団長をやりました。その時の同期でリーダー部長だった、大森信也君が書いた本です。

彼は大学を卒業してすぐに東京都渋谷区にある児童養護施設で働き始め、20年働き続けてグループリーダー、主任、副施設長、施設長と役割を変えていきました。

児童養護施設は、孤児院と思われがちですが実親が健在でない子どもはほとんどいません。

経済的なことであったり虐待であったり、やむにやまれぬ事情で親元で暮らせない子どもたちがほとんどです。

 

 

施設や里親に養育されることを社会的養護というのですが、社会的養護では原則0歳から18歳までしか面倒を見ることが出来ません。

頼るべき大人がおらず、18歳で社会に文字通り放り出されるのですからその後の人生が順風満帆であろうはずもなく、多くの方が苦難の道を歩むことになります。

そこが大きな問題点であることは児童福祉関係者であれば周知のことなのですが、世間の人にはなかなか理解されておりません。

 

彼が、二人の仲間と共同執筆の形で世の中に出したのが『施設で育った子どもの自立支援』という本です。

 

 

本の執筆中に飲みに行く機会があったのですが「実は締め切り過ぎちゃっててさあ」と言いながら現れたのを覚えています。

大学時代は身体を動かす専門で頭を使ってこなかったので、かなり無理してるなあと率直に思いました。

彼が本を上梓した後に購入させられて読んだのですが、施設出身者の切なる訴えや赤裸々な本音に胸を打たれました。現場ならではの視点で子どもに寄り添って解説してあるのですが、とてもあの大森が書いたとは思えない、優しさに溢れたものでした。

しかし、大森が本を書くことは二度とありません。

結論を申しますと、この本が出版された四年後、大森は自身が面倒を見ていた施設退所者の青年に刺されて命を落としたからです。

完全な逆恨みであり、退所後もアパートの保証人になるなど、ずっと面倒を見てきたことを「ストーカーされた」と言って犯した凶行でした。

大変皮肉なことに、大森は自身が一番変えたかった制度の不備に立ち向かって命を奪われた形になったのです。

 

 

あれから、私は友人として彼に何が出来るだろう、何をしていけばいいのだろう、と自問し続ける日々を送っています。

幸いにして、彼は自身の考えを形にして遺していきました。この本は彼の魂が籠っていると思っています。

なかなか興味を持たれにくい分野の本ではありますが、少しでも誰かの目にとまってくれたら本望です。

ATOMicaの本棚にも1冊置いておきますので、お手すきの時に手に取ってくださいね。

 

 

 

 

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