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カルビー株式会社の成長戦略企画を考えよう!広島大学主催「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」と共にアントレプレナー型インターシップを開催

#レポート
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ソーシャルコワーキングスペーススタートアップのATOMicaでは、広島大学が主催する「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」からの委託を受け、同コンソーシアムに参画するカルビー株式会社の中長期的な成長因子となる「ファクターX」を、広島大学の学生が約3ヶ月間(2022年10月~12月)のアントレプレナー型プログラムに参加しながら、企画提案をするインターンシップを開催しました。

■ひろしま好きじゃけんコンソーシアムとは?

これまで、なかなか進まなかった産学連携の課題を洗い出し、その課題を解決できる仕組みとして構築。これにより、企業の課題を、大学が一緒になって解決することで事業化が加速化されることに期待ができます。 本コンソーシアムは2023年7月に一般社団法人として法人化しており、独立した組織として中四国からグローバルに展開していく予定です。

・ひろしま好きじゃけんコンソーシアム

https://www.sukijyaken.jp/vision

■開催プログラムの概要

今回のプログラムでは、広島大学に通う学生に向けて、広島が創業の地であるカルビー株式会社の中長期的な成長のための企画をアントレプレナー視点で考えるインターンシップとして公募を実施。カルビー株式会社の新商品を生み出す拠点「Calbee Future Labo(カルビーフューチャーラボ)※2022年当時、以下同」を拠点に、4名の学生の方が参加しました。

インターンシッププログラム公募チラシ

■開催内容

起業家や事業家の方々へインタビューを行い、新規事業や商品開発の裏側をはじめ、その方々の考え方や抱える課題を探りました。インタビューでの気付きをまとめて最終日のDemoDayで発表するというプログラムで実施しました。毎週1回90分のワークショップを開催し3ヶ月間のプログラムを通して考えたアイデアを、学生それぞれから最終日のDEMODAYで発表を行いました。

<実際の発表内容>

●医療・介護現場で大活躍!全世代で楽しめる、すぐに溶けて、食べられる新食感のタンパク質入りポテトチップスを提案(大本優花さん/医学部6年)

医療・介護業界の「食」課題について話される大本優花さん(医学部6年)

カルビーの企業理念である「自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」の「健やかなくらし」に着目し、医療・介護業界の進出を提案しました。嚥下機能や咀嚼機能の低下により高齢者の「食」の選択肢が少ない現状から「食べたいものが食べられない」課題が生じているのではないかという仮説を立て、医師やケアマネージャー、理学療法士など8名の方にインタビューを実施。インタビューを通じて、食制限を強いられている高齢者にも「本人の食べたいもの食べてもらいたい」といった声が共通して挙げられたが、実際はアイスやゼリー、羊羹など噛みやすく飲み込みやすい形状で提供していることが分かりました。そこで、「全世代で楽しめる一口目でサクッとした後、すぐに溶けて、食べられる新食感のタンパク質入りポテトチップス」を新商品として発案。食の楽しさとおいしさを考慮し、医療・介護業界を包括したユニバーサルデザインな商品展開の重要性を主張しました。菊池さんからは「カルビーを、食品ではなく医療の会社としてリフレーミングしていただいて嬉しい発表でした。医療の現場で働かれる大本さんが、なぜポテトチップスを選択されたのか、大変興味深かったです。」と感想をいただきました。

●エシカル消費を国全体に普及するために商品の割引やお得なポイント付与ができる「エシカポイント」を提案!(鉄橋佳奈さん/総合科学部3年、林茉歩さん/法学部3年)

「エシカポイント」について説明する鉄橋佳奈さん(右)、林茉歩さん(左)

広島大学の鉄橋さんと林さんは国内の食市場の縮小に目を向けカルビーのさらなる中長期的な成長につなげるためにも、ヒトや環境に優しい商品を購入する「エシカル消費」と呼ばれる消費者の購買行動に着目し、「お菓子の会社」ではなく、「エシカル消費推進企業」というカルビー独自のブランドイメージを掲げることが中長期的な成長につながると主張。インターンシップ期間中、フードロス対策に従事している長友みかん農園をはじめとする3社へエシカル消費の実態や消費者の行動変容などインタビューをおこない、価格帯が通常商品に比べて高いことや効果がわかりづらいことなど、複数の購入ハードルがあることに気づきを得ました。そこで、エシカル消費を浸透させるために、商品の割引やお得なポイント付与を導入した「エシカポイント」を新たに提案。ビニール袋有料化からエコバッグの持参を国全体で推進させた事例を参考に、個人、企業、国と取り組み範囲を広げていけば普及成功につながると話しました。

Calbee Future Laboの樋口さんからは「国内でエシカル消費が浸透していないなか、国全体を巻き込む取り組みとなると難しいと感じる一方、ワクワクするような制度である。」と感想をいただきました。

 
●Calbee Future Laboへ恒常的に人や情報が集まる「アイデアコンテスト×クラウドファンディング」の仕組みを提案!(瀬戸新さん/教育学部3年)

「アイデアコンテスト×クラウドファンディング」について説明する瀬戸新さん(教育学部3年)

Calbee Future Laboは、「かっぱえびせん」「ポテトチップス」「じゃがりこ」等、カルビーの数々のヒット商品に続く、新商品の開発のため結成されたチーム。人や情報の交差点となることを一つの理想状態として目指しているものの、現状は今あるつながりを有効活用されていないことが課題となっており、活動を通してコワーキングスペースやインキュベーション施設を運営メンバーへインタビューをおこない、コミュニティづくりに不可欠なターゲット選定や足を運びたくなる仕掛けづくりを継続して行うことの重要性を知りました。 継続的に情報が集まり商品開発が促進できるような新たな仕組みとしてアイデアコンテストとクラウドファンディングをかけ合わせたオリジナルの企画を提案。社内だけではなく消費者からアイデアを募ることで、さまざまな視点を活かした新たな商品開発につながり、消費者も開発に携わることで商品に対する愛着が生まれやすいのではないかと主張しました。

カルビー新規事業部の藤井さんからは「シンプルでわかりやすいスライドだった。アイデアコンテストの他社事例として挙げられたように、テーマを絞った募集だとより多くのアイデアが生まれそう。」と感想をいただきました。

■参加した学生の皆さんの感想

■カルビー株式会社×広島大学×ATOMicaアントレプレナーシッププログラム概要

実施期間:2022年10月から12月迄のおよそ3ヶ月間

最終発表:2022年12月26日(月)10:00~11:40

会  場:Calbee Future Labo

企  業:カルビー株式会社、広島大学

主  催:ひろしま好きじゃけんコンソーシアム

【ATOMicaからご案内】

■ATOMatchプログラムを実施したい企業・自治体の方へ

今回のイベントは、ATOMicaカスタマーエクスペリエンス室の倉橋が担当し、広島大学様との学生募集から、カルビー株式会社様の課題解決に繋がるアントレプレナー型インターンシップの企画運営、最終日の発表までを伴奏しました。ATOMicaでは今後も人と人との出会いを通して新しい価値創出や、心地良いつながりの創出を支援して参ります。ご希望の企業様や行政のご担当者様がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

お問い合わせ先: https://atomica.co.jp/contact/