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カルビーの成長戦略企画に挑戦!学生の仮説を基に未来を見据える(カルビー株式会社)

2022年10月~12月の約3ヶ月間で、広島大学による「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」と共に、カルビー株式会社の成長戦略を企画する「COYAGE INTERNSHIP」を実施しました。

◾️参加企業・自治体

・広島大学:https://www.hiroshima-u.ac.jp
・カルビー株式会社:https://www.calbee.co.jp
・ひろしま好きじゃけんコンソーシアム:https://www.sukijyaken.jp/vision


◾️事例概要

本プロジェクトのテーマは、「カルビー株式会社の成長戦略の企画」です。同社が新商品開発のために設立した「Calbee Future Labo(カルビーフューチャーラボ)」(※2022年当時、以下同)を拠点に、4名の学生が参加しました。


■プロジェクト詳細

本プロジェクトは、学生たちが自らの課題感や仮説に基づいてさまざまな方にインタビューを実施し、そこで得た発見から最終的な企画提案を行うというステップで行われました。

約3ヶ月間にわたる週1回×90分のワークショップを経て、学生たちが発表した企画について、ご紹介いたします。


▼実際の提案内容

【「医療・介護現場で大活躍!全世代で楽しめる、すぐに溶けて、食べられる新食感のタンパク質入りポテトチップスを提案」(医学部6年)】


カルビーの企業理念「自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」の「健やかなくらし」に着目し、医療・介護業界への進出を提案しました。

嚥下機能や咀嚼機能の低下により高齢者の「食」の選択肢が少ない現状から、「食べたいものが食べられない」という課題が生じているのではないかと仮説を立て、医師やケアマネージャー、理学療法士など8名の方にインタビューを実施。その際には、食制限を強いられている高齢者にも「本人の食べたいもの食べてもらいたい」といった声が共通して挙げられたが、実際には、アイスやゼリー、羊羹など噛みやすく飲み込みやすい形状のものが提供されていることが分かりました。

それを踏まえ、「一口目でサクッとした後すぐに溶けて食べられる、全世代が楽しめる新食感のタンパク質入りポテトチップス」を新商品として発案。食の楽しさとおいしさを考慮し、医療・介護業界を包括したユニバーサルデザインな商品展開の重要性を主張しました。 カルビーのご担当者様からは「カルビーを、食品ではなく医療の会社としてリフレーミングしていただいて嬉しい発表でした。医療の現場に携わる学生さんが、なぜポテトチップスを選択されたのか、大変興味深かったです。」と感想をいただきました。



【エシカル消費を国全体に普及するため、商品の割引やお得なポイント付与ができる「エシカポイント」を提案!(総合科学部3年、法学部3年)】


カルビーの中長期的な成長につなげるため、国内の食市場の縮小に目を向け、ヒトや環境に優しい商品を購入する購買行動「エシカル消費」に着目。「お菓子の会社」ではなく、「エシカル消費推進企業」というカルビー独自のブランドイメージを掲げることが中長期的な成長につながると主張しました。

インターンシップ期間中、フードロス対策に力を入れる「長友みかん農園」などの企業3社に、エシカル消費の実態や消費者の行動変容についてインタビューを実施。価格帯が通常商品に比べて高いことや効果が分かりづらいことなど、複数の購入ハードルがあるという気付きを得ました。

そこで、エシカル消費を浸透させるため、商品の割引やお得なポイント付与を導入した「エシカポイント」を新たに提案。ビニール袋有料化からエコバッグの持参を国全体で推進させた事例を参考に、個人、企業、国と取り組み範囲を広げていけば普及成功につながると話しました。

Calbee Future Laboのご担当者様からは「国内でエシカル消費が浸透していないなか、国全体を巻き込む取り組みとなると難しいと感じる一方、ワクワクするような制度である。」と感想をいただきました。


【Calbee Future Laboへ恒常的に人や情報が集まる「アイデアコンテスト×クラウドファンディング」の仕組みを提案!(教育学部3年)】


Calbee Future Laboは、「かっぱえびせん」「ポテトチップス」「じゃがりこ」など、数々のヒット商品に続く新商品を開発するために結成されたチーム。人や情報の交差点となることを一つの理想状態として目指していますが、現状は今あるつながりを有効活用できていないことが課題となっていました。

そこで、コワーキングスペースやインキュベーション施設の運営メンバーにインタビューを実施。それを通じて、コミュニティづくりに不可欠なターゲット選定や、足を運びたくなる仕掛けづくりを継続して行うことの重要性についての気付きを得ました。

これを踏まえ、継続的に情報が集まり、商品開発を推進できるような新たな仕組みとして、アイデアコンテストとクラウドファンディングをかけ合わせたオリジナルの企画を提案。社内だけではなく消費者からアイデアを募ることで、さまざまな視点を活かした新たな商品開発につながり、さらに消費者も開発に携わることで商品に対する愛着が生まれやすいのではないかと主張しました。

カルビー新規事業部のご担当者様からは、「シンプルでわかりやすい提案だった。挙げられていたアイデアコンテストの他社事例のように、テーマを絞った募集であれば、より多くのアイデアが生まれそう。」と感想をいただきました。


▼参加学生たちの声

・「データ分析やインタビューを通して、企業や社会の課題の本当の原因を探り出すことは難しく、非常に勉強になりました。何かに挑戦したいけれど、不安がある学生に、おすすめのインターンシップです。」(法学部3年)

・「正解のない課題にアプローチする中で、徹底的に論理的に物事を考え、分かりやすく説明する力が鍛えられました。事業立案や企画提案に興味のある学生におすすめのインターンシップです。」(総合科学部3年)

・「課題を特定し解決策を検証する流れは、想像の何倍も難しかったです。だからこそ、考え方の面で大きく成長できました。小さくとも課題感を持っている学生におすすめのインターンシップです。」(教育学部3年)

・「さまざまな方に意見を聞くことで、自信の持つ仮説を多角的に捉え直し、再構築するという思考プロセスの幅が広がりました。専門分野に閉じこもりたくない学生におすすめのインターンシップです。」(医学部6年)


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